スポーツ膝の緊急処置

膝はスポーツを行う上で最も障害(ケガ)が起きやすい部分のひとつです。膝関節は足首の関節など他の関節と違い、屈伸(曲げ伸ばし)しか行うことができません。そのため過剰な運動や急激な方向転換などにより膝に無理なねじれが発生してしまい靭帯や半月板を損傷してしまうことが多いのです。一流のスポーツ選手にも膝の靭帯の損傷により選手生命を絶たれたり、スポーツ復帰までに時間がかかったりする場合が多い場所の障害なのです。ここでは膝の緊急処置(RICE)について紹介します。

①安静にする(Rest)
どのような外傷の場合でも、安静を保ち負傷部位を動かさないことが応急処置の原則です。安静を保たない場合は、痛みなどの症状ばかりではなく、負傷部位の症状が悪化し、結局は十分なプレーができなくなったり復帰が遅れたりすることになります。

②氷で冷やす(Icing)
負傷部位を冷やすことにより、内出血を抑え、脹れを最小限に防ぐことができます。内出血を抑え脹れを防ぐことにより、自然回復を早めることができます。負傷直後に冷やすことが大切で、時間がたてばたつほど効果は減少します。冷やすには氷を最大限に利用し、その部位によって方法を工夫することが大切です。冷やす時間は15分から30分ぐらいです。

③圧迫する(Compression)
負傷部位の内出血、脹れを防ぐために包帯などで圧迫することも有効です。ただし、圧迫しすぎると血行が悪くなり循環障害を起こすことがあるため、実施にあたっては、十分な注意が必要です。

④高く上げる(Elevation)
負傷部位の脹れを未然に防いだり、脹れを早くひかせたりするために、負傷部位を心臓より高く上げることも応急処置には必要です。

 

以上の四つの頭文字をとって(RICE)といいます。