骨端症

成長期の骨の端の部分に無腐性壊死(組織に血液がいかなくなり組織の損傷が起こること)を生じるもので成長期に負荷や頻度の高い運動を行うことにより生じてしまう疾患の総称です。成長する骨に発症するものなので頻度的には多い疾患です。代表する病気を記します。

①ペルテス病(股関節)
小児の大腿骨頭(大腿骨の上の部分)に起こる骨端症で、大腿骨頭への血行障害が原因といわれる病気です。大腿骨董の部分は血行が遮断されて壊死となり、扁平化してしまいます。血行が再開されると骨端核は硬化(以前と同様に硬くなるものの、扁平した変形は修復されません。大腿骨頚部は短くなり扁平股となります。発症年齢は5歳から10歳で男女比は約5対1で男児が多く、片側性に発症することが主です。疼痛と破行と呼ばれる歩行障害が主症状です。治療は体重負荷を減らすこと(免荷)で、つぶれた骨の部分に負担をかけないことが一番です。

②オスグットシュラッター病
おさらを覆っている、膝蓋靱帯の付着部である脛骨粗面(膝下の出っ張ったところ)が、成長期にジャンプやランニングなどにより負荷がかかりすぎて遊離する病気です。骨がたてに成長している成長期の10代の男性に多いのが特徴です。膝蓋骨の下方5㎝の所が、骨隆起(骨が盛り上がり)して階段昇降やランニング中に痛みが増強することが多く、ひどい場合は正座をすると骨隆起部が床に圧迫され痛みを伴います。安静にすることで痛みは軽快します。

③キーンベック病(手関節)
手の月状骨(手首の関節の少し上の骨の形をした骨)の無腐性壊死で、月状骨軟化症とも呼びます。手を多く使う職業の人に発症する病気で、このキーンベック病は小児にはほぼ認められません。症状は圧迫して痛むこと、運動をして痛むことであり、レントゲンでぼやけた写真となることが多いです。治療は患部の安静、患部へのステロイド(痛み止め)注入が主となります。手術療法も用いられることもあり、つぶれた骨をつぶれないように、自己骨を入れたり、釘のような土台を入れたりすることもあります。

④第1ケーラー病(足関節)
足の舟状骨の無腐性壊死で、子供に多い病気です。症状は圧迫痛と腫脹(晴れ上がる)ことが特徴です。レントゲン像で骨がぼやけて写ります。治療は局所の安静、固定を行うことです。

⑤第2ケーラー病(足関節)
主に第2中足骨(足の人指し指の根元の部分の長い骨)無腐性壊死で小児ではなく、成人に見られることが多い疾患です。患部の圧痛、歩行痛が主症状であり、治療はステロイド注入、足底板という足の裏に板のようなものを入れて、体重のかけ方を変える治療などを行います。