坐骨神経痛

そもそも、坐骨神経とは脊髄髄節から出ている左右対称の神経です。脊髄はおよそ第12胸椎と第1腰椎の部分(ほぼウエストの部分)で終わっています。しかし、その脊髄から、左右一本ずつの神経(末梢神経)が出ていて、脊髄と全身の体の筋肉の連絡を取り、運動を円滑に制御してい ます。脊髄から出ているその左右対称の神経は脊髄腔を通り、腰から骨盤、お尻を通って足先までの筋肉に伝達を行っています。骨盤、お尻を通っているものがいわゆる坐骨神経といわれるもので、全身の中で比較的、皮膚などの表面に近いところを通っているため、圧迫などを受けやすい部分です。この坐骨神経が圧迫などの影響を受けた状態の総称が坐骨神経痛と呼ばれます。

坐骨神経痛の原因は腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの病気のほかに寒い時期、雨が続く時期など天候の影響によっても障害が出ることがあります。坐骨神経痛は入浴などの体を温めることにより軽減することが多いのが特徴です。ひどい症状の場合は足が一時的に動かなくなったり(麻痺がでてしまう)古傷のようにずっと腰周辺が痛むこともあります。

また、坐骨神経痛を頻回に繰り返してしまう人は基本的に腰部の筋肉や靭帯の弱い方である可能性が高くなります。また、体が固い人のほうがやわらかい人より腰痛を引き起こす原因となることが多いです。しっかりとした予防としてストレッチ、腰部の筋力強化(しっかり歩くなど)を行う必要があります。また、タバコは腰椎の椎間板の水分不足を招くとの報告もあります。ヘビースモーカーのほうが腰椎疾患においては発症しやすいというデータもあります。